Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
ハッ…っとしてしまった。

変わってない。
あっちゃんは、何も変わってない。
あこが汚れても優しい目で見つめてくれた。

『………。』
ザー…ザッパーン。
シーンとなった冷たい冬の海は、波の音だけが響いた。

あこは暴れるのをやめた。

あっちゃんの真っ直ぐなその目が苦しい。
見れない…

「俺が背負うよッ!!
お前の変わりに、全部!嫌な事も、今日の事も、全部、あこの変わりに俺が背負って生きていく!!!
だから、あこは、全部忘れて…俺について来てくれたら、それでいいからっ…」

“俺が全部背負うから”

その一言があこの凍りついた心を溶かし始めた。

《あこは、一人じゃない。》

『…ウッ…グスッ…うぇぇぇ――――。』
何かを吐き出す様に涙が出てきた。
< 206 / 376 >

この作品をシェア

pagetop