Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
謝罪
また、桜が咲く季節になった。
夜は寒いけど、昼間は桜の花びらが舞って、ポカポカ陽気だ。

辛くて、苦しかった冬も終りを告げた。

その春、あことエリは無事に大学2年生になった。

あの日から、あことエリは1日だって大学をさぼった事がない。

あの大雪の日の辛い出来事も忘れる事はできないなりにも、忘れようと思える様になってきた頃だった。

あことエリは、大学の中庭で昼食をとっていた。

中庭は、黄緑色の芝生で埋め尽されていて、たまに校門の桜の木から花びらが雪の様にあこの横を通って行った。

昼休みの中庭は騒がしい。

男子はキャッチボールをしたり、サッカーをしたりする。
女子はお得意の語り合い。

『はぁぁーっ…ポカポカして、気持ちぃーっ!!』

あこはトマトとレタスのサンドウィッチを頬張りながら、柔らかい芝生にゴロン…と寝転がった。

…広い空。
この大きさにくらべたら、あこが抱える悩みなんて、なんてちっぽけなんだろう…

『…くぁぁっ。眠ーい』
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