Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
人混みの廊下を歩いていると、そんな会話が耳に入ってきた。

何年生か、どこの学部かも分からないけど、女の子の集団が、長い廊下の向こうを指差して話していた。

《フーン?
あっちゃんよりイイ男なんていないもんね!
残念でしたっ!》

腕を組ながら、そんな事を思った。

「ねー、声かけてみない?
何年かな…」

「行ってみよっ!!」

その女の子達を目で追ってみる。
…と。その先いる男二人組。
あっちゃんとヒロトだ!!

「私、右の人が好みかな」

さっきの女の子の一言を思い出した。

《右…って、あっちゃんじゃんっ!!
…うー!!ダメ!
絶対にダメっ!!》

あこは今、自分がどんな格好をしているのか、完全に忘れている。
そして、大きく手を振って呼ぶ。
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