Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「アイツ…ヒロトってさ、見た感じめちゃくちゃ軽そうだろ?
でも、中身は全然軽くねぇんだよ、誰よりも純粋なんだ。」

急に真剣な顔付きで話すアツシくんの言葉に、深く頷いた。

『うんっ…』

中学生の終わり頃から、ずっと1人の人を想い続けるなんて、きっと並大抵の想いじゃないよね?

本当に、本当に大好きなんだね!!

人を見た目で判断するもんじゃない…良く聞く言葉だけど、まさにその通りだと思う。

ごめんね、ヒロトくん。

あこの中で、ヒロトくんの印象が180度変わってしまった。

仕方ないなぁ!
エリも満更じゃないみたいだし…

協力してやるかぁ!

『ねぇっ!アツシさん!じゃあさぁっ…』

あこが作戦を提案しようとした時…

「あ~、つか、“アツシ”でいーって!!
…“さん”とか、なんか気まずいからさ。」

彼は、柄にもなく照れ臭そうに軽く笑った。

『そっか!
ん~、…じゃあ、ニックネーム付けてもいい?

アツシ…だからぁ…アハッ!!決~めたぁっ♪

あっちゃん!!!』

「え~っ…“ちゃん”かよ~!!
まぁ…いーけど…」

今度は、さっきよりも照れ臭そうな顔をして、八重歯を見せて笑った、彼。

高橋 篤。

あだ名は、あっちゃんに決定。

“あっちゃん”

…だって、その笑顔を見ると、“あっちゃん”…そう呼びたくなって仕方なかった。

八重歯が可愛いかったから。

ドキドキして仕方なかったから。

「じゃあ、俺は普通に“あこ”って呼ばせてもらう!」

『うん、いいよっ!!』

そこには、自然に笑えている自分が立っていた。

不思議な事ってあるもんだ。

あこが、こうして初対面の人に心を許して話したのは初めての事だった。

もしかしたら、あっちゃんの笑顔の魔法に掛ってしまったからなのかもしれない。
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