Snow Drop～天国への手紙～（上）【実話】

ケンはｳｴｲﾀｰの制服のまま走り去ってしまった。

「………。」
呆然と立ち尽すあっちゃんの肩に軽くパンチをしたのはﾋﾛﾄだった。

…トンｯ

「おぉっと！ついにﾗｲﾊﾞﾙ出現！？
泣かしちゃいけないヨン(笑)
今のｲｹﾒﾝﾎﾞｰｲに取られちゃうぜっ？」

あっちゃんがイライラしているのを察したのだろう。
ﾋﾛﾄが明るく笑い飛ばす。

「うるせぇよっ！(笑)」
あっちゃんは珍しく弱気な笑顔だった。

“クソッ…”
あっちゃんは唇をキュッっと噛んだ。


「あこー！お疲れ様っ☆交代だよっ！」

あこはまだ仕切りの裏で立ち尽していた。

振り返ると、あやが笑顔で笑っていた。

『あっ！もうそんな時間！？』

「あこっ？」
あやの後ろからエリも顔を出した。

『あっ！エリ、ごめん、ごめん！！
よしっ、あっちゃんとﾋﾛﾄくんにご飯おごらせよう！(笑)』
わざとらしくﾃﾝｼｮﾝをあげた。

そして、あことエリは、研究室に着替にもどった。