Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「あ~こ~?
何処行ったぁぁ~?」

あ、エリだ!!
手当て終わったのかな?

あっちゃんの車が停まっている方向から、エリがあこを呼んでいる。

『こっち~!!
今そっちに行くから~!

ねっ、あっちゃん、行こう?』

あっちゃんを見上げて何度も手招きをしてみた。

「あっ!待った!!
あこ、エリちゃんにはマジで内緒な?

今の話、言うんじゃねぇぞ?」

“あこ”

いつも皆から呼ばれてる、普通の事なのにね…

あっちゃんから言われると、何故かちょっぴり胸がキュンと音を立てる。

…それにしても、あっちゃんは背が高い。

顎をおもいっきり上に上に上げないと、顔を見る事が出来ない。

「うん、超OK~!
あこ様にまかしといてよっ☆」

顎をおもいっきり上に上げて、自信満々の口調で言った。

「よっしゃ、約束な!じゃあ…」

そう言いかけて、あっちゃんはあこを意図も簡単に片腕で、ヒョイッっと持ち上げた。

そして、両手で抱き抱えた。

「よ~し!!じゃあ、ご褒美にエリちゃんのとこまで、あっちゃん様が運んでやるよ!

楽チンでい~だろ?」

『…………。』

あまりの一瞬の出来事にビックリしてしまう。

でも…嬉しい様な、恥ずかしい様な…

でも、あっちゃんならいいかっ♪

『お運びたまえ!』

「フッ…生意気!」

まさか、あこの口からそんな一言が飛び出すなんて。

自分を疑ってしまう。
自分でも驚きを隠せない。

けど、ずっとこのまま、あっちゃんの腕の中に居たい。

…そう思ってしまう自分が、そこに居た。
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