Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
誰かに呼び止められた。
立ち止まり、振り返ってみると、そこには見たことのある女の人が立っていた。

「やっぱり…!
私…有美です。」

――――!!
有美さん…
あの冬の日を思い出す。
あこはこの人の一言で心も体もズタボロにされた。

ズリッ…
一歩、後退りしてしまう。

「………!?
泣いて……るの?」
以外にも、有美は優しい顔で、やさしい母親のような声だった。

『…ッ…ウゥ…』
あっちゃんから言われた一言で、あこはもう立っているのもやっとだった…

『…ぅっ…ゆ…有美さっ…』
思わず抱きついてしまった。
あこの事をあんなふうにボロボロにして、深い傷を負わせた様な人の胸。

なのに…
あの頃とは違って今は、とても暖かい。

「…大丈夫?ちょっと…場所変えようか。
こごじゃ…人目が…ね?」

『…ッッ…ハイ…』
有美に支えられ、裏庭のベンチへ腰かける。
そして横に有美も座った。

「大丈夫?何か…あった?」
あこの頭を優しく撫で続けてくれた。

少し、落ち着きを取り戻す。
『有美さん、どうしてこの大学に?…』
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