Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
――――!!

そこには、あっちゃんが立っていた。

息を切らして、額には汗がにじんでいた。

きっと夢中であこを探してたんだ。

この広い校内を?

「あこっ…ごめん、さっきはごめんなっ?

…って、有美っ…なんで??」

ハァハァ、息を整えながら有美を見た。

「久しぶりだね。
私、どうしても、東京行く前にあこちゃんに謝りたくて…」

『えっ…東京?!』
あこが有美の肩に飛び付いた。

聞けば、有美は、この大学の四年生の人と付き合っていて、彼の就職へ着いて行くとの事だった。

『そっかぁ…東京かぁ…』

遠いなぁ…
折角、仲直り出来たのに…

あこはシュン…としてうつ向いた。

「ハハッ(笑)たまに帰ってくるよ!
私、地元大好きだからさぁ!!」
あこの頭をなでながら有美が笑った。

「えっ…つぅか、お前ら、何で仲良いわけ?」
眉間にシワを寄せてあっちゃんは考え込んでしまった。

「アツシ?…あんたがあこちゃんを選んだ理由が今日分かった。
…二人とも、幸せになって?

…って、私が言える立場じゃないかっ!」
そう言い残して、彼氏の元へ戻って行った。
< 259 / 376 >

この作品をシェア

pagetop