Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
エリは、ニヤニヤと不適な笑みを浮かべながら、アクセルを踏み込んだ。

ブゥ~
車が走り出す。

「ねぇ、あこ~?」

『何~?ニヤニヤしてっ!!エリ、気持ち悪いんだけど~!』

あこの肩はまだ半分くらいがっくりと落ちたままだ。

でも、エリの次の一言で、背筋がピンッと伸びた。

「あこ…もしかして…アツシくんの事、いいなぁ~とか思ってる?

好きになったとかぁ?」

体が足の爪先から順序に一気に熱くなった。

『なっ!…何言ってんのっ?まっさかぁ~!!アハハッ、てか、あこが人を好きになるとか、まず無いし?

有り得ないし~!!』

必要以上に声が大きくなってしまった。

エリを見ると、得意気に笑ってる。

今になって思えば分かる事。

この時のエリは、既にあこの気持ちは全て見抜いていたんだと思う。

「ふぅぅん?
アツシくんは、あこの事、お気に入りっぽく見えたけどなぁ~?」

『えっ!!!』

嘘!!本当にっ?

自然と笑顔になってしまう。

あこの初めて見せる態度に、エリは、何かを確信した様な顔で笑った。

「私、初めて見たよ~!
あこが男と笑ってはしゃぐとこ!アツシくんの事、“あっちゃん”なんて呼んでたしっ?

しかも、あこの方から話しかけたりしてたじゃん?

あこにしたら、いい傾向だよねっ♪」

『別に…そんなんじゃないしっ!!』

「アハハハハッ!あこは素直じゃないね~!」

『だから違うってば~!!』

エリの笑顔は、暗闇の中でも輝いていた。

でも…

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