Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
分からない。

『あこの事…嫌いになったんじゃないなら、どうしてっ?

全然分からないっ!!』

泣き叫ぶあこをヒロトが睨んだ。

「アイツ言ってたよ!

守りたかった、大切なんだって…今でもあこちゃんが一番大切なんだって…。

でも、理由、俺にも言ってくれねぇんだよ…

聞いてもさ…“いつか分かる日が必ず来る”の一転張りでさ…」

あこを睨むヒロトの目にも涙が輝いていた。

「だから…信じてやるしかねぇじゃん!!

もう、一生会えない訳じゃねぇんだ。

信じてやるしかねぇよ、アイツが話してくれるまで。」


「あこ…?
大丈夫、お互いを想う気持が強くて、二人がお互いを必要とするなら…必ず、まためぐり逢えるから…」

ポタッ…
エリの涙がほっぺを伝って地面に落ちた。


どうして?
あこにも言えない理由があるの?

すらっと伸びた
背の高いあっちゃん…

大きな手。
広い背中。
あったかい胸。

いつもあこの唇を塞ぐ優しい唇。

笑うとたまに見える八重歯。

もう一度あこの事馬鹿にしてよ。

またあこに沢山イヤミ言ってよ。

また…潰れちゃうくらい抱き締めてよっ…
< 289 / 376 >

この作品をシェア

pagetop