Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
神様?
教えてください…

あこ達は本当に終わってしまったのですか?

夢…
これは夢ですか?


ヒロトの車で家まで送ってもらった。
でも、あまりよく覚えていない。

覚えているのは…
あっちゃんが走り去った時の、背中だけ。

家に帰ってからも、ほとんど覚えていない。

気が付いた時には、部屋の窓から、朝日がさしこんでいた。


ねぇ、あっちゃん?

あの時…エリ達をどんな事をしてでも、振りきって、あっちゃんの背中を追い掛けていたら…

今、あこは何も後悔せずにいれたのかな…

ううん。
それでもやっぱり、こうなっていたのかもしれないね…

あっちゃん?

あのね、あこは、
今でも神様を恨んでしまう事があるんだよ。

そんな事を知ったら、あっちゃんは怒っちゃうかな?



あっちゃんから突然別れを告げられてから、もう、二週間絶とうとしている。

人間の心は、そんなに弱くない。

外に出ると、風がますます冷たくなった。

今にも雪が舞い降りてきそう。

あっちゃんと別れてからもあこは、毎日大学へ通った。

唯一の支えだった。

卒業したら、もしかしたらあっちゃんが、なに食わぬ顔で、ひょっこり現れるかもしれない…

約束を果たしに来てくれるかもしれない…

その、果たされる事のない“約束”を信じていないと、生きていけそうになかった。
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