Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
♪~♪~♪…

『えっ…』
あこは飲んでいた、カシスオレンジのグラスを思わずテーブルの上に置いてしまった。

あっちゃんの車でいつも流れていた…
あっちゃんが一番大好きだった…曲。


EXILE。
[We will~あの場所で~]


初めて会った、あの夏の日もあっちゃんの車で流れていた。

花火大会の後、海へ向かっている時も流れていた。
リピートで流していた。

海…あっちゃんから告白されて、あこ達は付き合った。

あっちゃん…
今はもう、あこの隣にはいない。

あっちゃん?
今日も聞いてる?この曲…
今も好き?

歌詞が、あまりにも重すぎて、苦しいよ…


『…ッ…ウッ…グスッ』

あこの目から涙が溢れた。

まさとはそんなあこに気付かずに歌い続ける。

♪~♪~♪…

やめて、やめて。
もう、歌わないで…

『…てよっ…よっ!!』

「…………?」
まさとが、あこの異変に気付いた。

部屋には、曲だけが流れていた。
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