Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『…もしもし?エリ?』

緊張で声が裏返ってしまった。

「…………あこ。」

ドキッ…

エリの声は、少し怒っている声だった。

やっぱりね…
別れてすぐ別の男にすがるなんてね。

まだあっちゃんでいっぱいなくせにね…
軽蔑したよね。

「あこ…何言ってるの?」

『ごめん…これじゃ、ただの軽い女だよね…?』

「違う…私はそんな事思ってない。
…あこは逃げたの?
辛い事から逃げたの?」

そうだよ。

『…うん。』

「違う!逃げたんじゃない。
あこは前に進んだの、今日。

逃げたんじゃない。」

『でもっ!あこはまだ…あっちゃんが…』

「今日からあこは前に進むの!!」

『エリ…』

「あこが辛いなら、アツシくんも辛いはずだよ…
少しずつ、前に進もう?」

エリと約束した。
明日からは笑顔のあこでいる事を。
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