Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「え………」
ケンが不思議な目であこを見つめていた。

「ケン!今日あこ借りるね?ごめんね!

前からしてた約束あるんだっ!!」

エリが困っているあこをかばうように言った。


ケンの顔が曇る。
「…フーン…分かった!しょうがねぇな!

じゃあー、後でメール頂戴。」

不安を隠すかの様にケンは無理に笑った。

今日はシュウと帰るらしい。

肩を組んで教室から出ていった。

「あこ!」
エリの掛け声は短距離走のピストル音になった。

『…うん、じゃぁ…』
行くよ。

そして重い足を無理矢理動かして大学を後にした。

朝は雪が降っていたのに、今は止んでる。

寒い…でも、寒さはあまり気にならない。
あっちゃんとの約束で頭が一杯で…

『…あ…』
気が付くとミニ公園の近くのコンビニの前に立っていた。

あっちゃんと別れてから、このあたりに来たのは久しぶりだ。

すでになつかしい…。

このコンビニで、有美に胸ぐらを掴まれた。

あっちゃんがあこを大切だと言ってくれた。

あっちゃんと初めて一つになった日だった。

ドサッ…
コンビニの前のベンチへ腰かける。

行くべきか…
行かないべきか…

右を向くとミニ公園の真っ白なブランコが見えた。

ブランコの少し奥に大きな木が見える。
その木の根元には…………
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