Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
花火の魔法
7月も終わり、8月になると、暑さが増した。

毎日、毎日、エアコンの効いた部屋で、携帯電話を握り締めていた。

だって…待ってるから。
彼からの連絡を、待っていたから。

あの日から、あこは何処へ行くにも、携帯電話を肌身離さず持ち歩いていた。

あの出逢いの日から、既に20日が経っていた。

何度見ても、携帯電話の着信履歴は…

エリ、家族、大学の仲良しグループのメンバーの名前がずらりと並んでいる。

あの日から、待ってるのに…

あの人からのメールは…来ていない。

もちろん、電話も。

何で?
エリのやつ、あこのメアド、間違って送ったんじゃないよね?

ちゃんと送ったよねぇ?

それとも、ヒロトくんが忘れてるとか?

有り得るかもね…

いやいや…
もしかしたら、あっちゃんはやっぱり、あこの事、妹的存在くらいにしか思ってなくて…

面倒になって…それで…

どっちにしろ、毎日、毎日、ケータイとにらめっこして…

バッカみたいっ!!!

もう…会う事も無いのかな…


ピッ

メールが届いてないか、センターに問い合わせ。

これも、毎日の日課になってる。

【受信メール ありません】

『ハァ~、来てない~!』

溜め息も、日に日に、深みを増す一方だ。
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