Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「何言ってんだよ、あこ…。
小さくて、小さくて。
真っ白で。

守ってやらないと、すぐに枯れてしまいそうなとこが、そっくりだ。

本当に…あこみたいだ。

……やっぱ、勝てねぇのかなっ?(笑)」

ケンの目からは、キラリと光り輝くモノが溢れた。

ぎゅぅぅぅっ!!
あこがビックリするくらいの力だった。

あこを抱き締めたケンはカタカタと震えていた。

「でも!…負けたくねぇんだよッッ!!
やっと、繋ぐことが出来たこの手を離したくないっ………

俺が…俺が、守るからっ!!離れんなよ!」

『…ケッ…ケン!!苦しいよっっ!!』
ハッと我に返ったのだろう…
ケンは、自分の腕の中から、あこを解放した。

あこを涙目でじっと見つめた。

「決めるのはあこだ。
明日、朝10時に、いつもの角で待ってる。
…今、この花を見てしまった今…

あこが俺を選べないと思ったら、そのピンキーリングははめないで来てくれ…

信じてるからな!」

そう言って、ケンは、何かから逃げるように雪の上を走って行ってしまった。

…もし、リングをはめずに行ったら…あこ達は。

終わってしまう。
ケンを傷つけてしまう。

でも…あっちゃんの気持ちを知ってしまった今。

あこは…
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