Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あの、約束を果たした日以来。
何も変わらず隣には優しいケンがいる。

でも…あの日以来、また心にポッカリと穴ができていた。

その穴は、どんなにケンと愛し合っても埋まる事は無かった。

愛し合えば、愛し合うほどに

ポッカリと空いた穴は大きくなって行った。

ケンを何とも思ってない訳じゃない。

前よりももっと好きになっている。

でも、原因不明の穴があき続けていた。

…キーンコーン…
講義終了のチャイムがなり響いた瞬間。

ガタン…

ガタン…
ガタタン…

先を先頭に、教室を抜け出した。

ざわめきの絶えない廊下。
そのざわめきに溶け込むかの様に8人は、廊下を駆け抜けた。

「脱出完了ぅ♪」
8人で桜祭りが行われている、大学にほど近い西公園へ急ぐ。


「すぅっごー☆
超~満開ぃぃ~~!!」

公園は溢れ帰るほどの人。人。人。

家族連れ。
老人の夫婦。

きっと、学校を抜け出したのだろう。
高校生の可愛いカップルまでいる。

ものすごい人だ。
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