Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「玄関のドアを開けたら、そこには、土下座をしているアツシがいた。

そして…こう言ったの。

“頼むからッ…アイツを俺から奪わないでくれよ!!

あこが居なくなったら…俺はッ…

あこは昨日、自殺を図った。

だせぇけど…俺からあこをとったら何が残るんだよっ!?”

…そう言って、泣いてた。
頭をコンクリートにべったりつけて。
泣いてた…」


―――!!?
あこが…自殺…?

ケンの頭は真っ白になっていた。

エリは瞼を力一杯閉じた。

「その時ね、あぁ…もう私の入る余地はこれっぽっちもないんだなって確信したの…

あんなに他人を想うアツシが羨ましく思えた。

アツシの心も体も全てあこちゃんで一杯だった。
正直悔しかったな。」
有美はお腹を撫でながら、苦笑いをした。


あっちゃん…あっちゃん。
あこのために、プライドも全部捨てたの?

かっこ悪いよ…
でも、すごくかっこいいよ。
悔しいよ。

「ッ…ック…あっ…ちゃんはッ、いつも…あこに優しいんですッ…」
もう涙で声がうまく出ない。

泣き崩れるあこを有美は優しく見つめていた。
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