Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
コクッ…
ケンはあこに微笑みながら頷いた。

『……ケ…』
あこが何かを訴えようとした瞬間、ケンの声に潰されてしまった。

「だめだっ!!あこ…ジャンケンしよう?」

嫌だよ!
ジャンケンなんてしない。

『…ッッ…嫌っ!
あこは、ケンの側に居るよっ…

決めたの!!ケンと居るんだよ!!』

あこはケンの腕にしがみついた。

「あこ…」
ケンはあこの手をふりほどくようにそっとあこの手を握った。


「あこ?正直に生きようぜ?

…あこに本当の恋を教えてくれたのは、誰だった?」

………あっちゃん。

「あこが…襲われて、絶望の淵に立った時、支え続けてくれたのは、誰だった?」

…あっちゃん。

「あこがもう消えたい…そう思った時、あこが消えないように、抱き締めていてくれたのは…誰?」

…あっちゃん。

「小さな“あこ”に水を与え続けてくれた人は誰だった?」

…あっちゃん。
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