Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『ケン!!ごめんね…ッ…。
ありがとー!!』

タッ………

ケンの声に押されるように、あこは走り出した。

ケンに背を向けたまま、精一杯のお礼を言って。

一度も振り返らずに走った。

振り返ったら、ケンに戻ってしまいそうだったから…

だって…
今、きっと泣いてる。
ケンは泣いてる。


渡された紙きれを、強く、強く、握り締めて…
あこは走った。
真っ直ぐ走った。

真っ直ぐ…彼のいる所へ………。

あっちゃんがいる病院へ。
< 372 / 376 >

この作品をシェア

pagetop