Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「あこちゃんてぇ~、アツシと付き合ってんの~?」

『へっ?…ウッ…』

有美さんがやたらと顔を近付けて来る。

ビールのアルコールの匂いが、有美さんから秘かに漂って来る。

『違いますよ~!付き合ってないです…』

有美さんの綺麗に整った顔があまりにも近くて、ちょっと引いてしまう。

有美さんは、あこの返事を聞くと、一瞬ホッとした様に見えた。

「ふぅん?付き合ってないんだぁ、でもさ、コイツ、超~軽いから気を付けてね~!!」

有美さんは、かなり酔っているらしい…

あっちゃんの肩を掴んで、ケタケタと笑いながらあっちゃんの体をぐいぐいと揺らした。

あっちゃんて…軽いの?

あこの表情が一気に雲ってしまった。

「有美!お前、何つー事言うんだよっ!!
あこが勘違いすんだろうが!

…あこ?有美の言ってる事、鵜呑みにすんじゃねぇぞ、嘘だから!」

あこに寄り添う様に座っていたあっちゃんが、まるで言い訳をするかの様に言った。

『う…ん…』

そうだよね…
有美さんは、すっごい酔っぱらってるし…

何よりも、あっちゃんはあこに優しいもん…

軽くないよ!!

「え~、マジだし~!!アツシ、女大好きだろがぁ~~!!ヒャハハッ♪」

「あ~うるせぇっ!有美、お前酒くせぇ!!」

有美さんは、今度は、あっちゃんを指差してケラケラと笑った。

ムカッ

何なの?
この人、酔っぱらい過ぎだし!!

横目で見る限り、有美さんは、あっちゃんに対してやたらとベタベタ、ボディータッチが多い。

あっちゃんの腕に絡みついたり…
あっちゃんの肩に頭を乗せてみたり…

単なるやきもちからの発言だった。

『あっちゃんは軽くないですよ!全然、軽くないですけどっ!!
…あの…酔っぱらい過ぎじゃないですか?』

あ…やばっ!!

自分でも驚いてしまった。

自分の口から、こんな言葉がポーンと飛び出すなんて…
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