Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『あ…ううん、何でもな~いっ!!』

「本当かぁ~?チビすけ!」

『チビじゃないっ!!もうっ!!』

無理矢理、笑顔を作って笑った。

でも、心の底から笑ったわけじゃない。

心の底から笑う事が出来なかったのには、1つの理由があった。


さっきの…空耳だよね?

ううん、違う。
空耳なんかじゃない。
空耳なんかじゃなかったんだ。

確かに、聞こえたもん。うん、確かに聞きたんだ。

あこは、間違いなく聞いた…

有美さんが、あこを睨みつけながら言った一言を…


―「チッ…オメェ、イラツク。」―


「マジかよっ!その設定熱くねぇか?」

「だろっ?爆発だぜ~!!」

あっちゃんは、あこの隣でマコトくんとスロットの話で盛り上がっていた。

どうやら、あっちゃんの耳には…ううん、あこ以外の人の耳には聞こえていなかった様だ。

あっちゃんには聞こえてないんだ…

やっぱり、あこしか聞いてないんだ…

有美さんが向こうへ行ってからも、強い視線が痛い。

あれからずっと、あこの事を睨み続けてる。

あこは、いままで本気で人を好きになった事は無いけれど、こういう“勘”は鋭いと思う。

有美さんは、あっちゃんに行為を持っている。

有美さんは、きっとあっちゃんのこ事が好きなんだ…
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