Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『えっ?何?何て言ったの?』

あっちゃんを見ると、耳まで赤くしがら運転をしていた。

車は、あこの家の前を通り過ぎて、しばらく走ると、海へ着いた。

「うわっ…何だ、これっ!!すげぇ…」

海に着くなり、あっちゃんが驚きの声をあげた。

『わぁ…』

辺りを見回すと…カップル、カップル、カップル…

海の駐車場は、恋人達で溢れ返っていた。

きっと、みんな、あことあっちゃんと同じ。

花火大会の後、離れたくなくて、もっと一緒に居たくて、この海に来たのだろう。

側から見たら、あこ達も恋人に見えるの

ちょっとだけ、幸せを感じてみる。

「うぁ~停めるとこあんのかぁ~?」

あこの幸せな妄想をよそに、あっちゃんは必死に車を停める場所を探していた。

『あっ!あそこは?』

あこが指さした所は、直ぐに砂浜に降りれる位の高さの、車1台分のスペースだった。

こんなにも人で溢れ返っているのに、そのスペースだけ、ヒッソリと空いていた。

「お~、でかしたな、あこ!!」

『でしょ~♪』

あっちゃんは、目を輝かせて、そこに車を頭から突っ込んで…そして、車のエンジンを切った。

車内の灯りが全て消えて、真っ暗になった。

「ハイ、あこ念願の海~!良かったなぁ~プハハハハ!!」
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