Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あっちゃんが、あこを砂の上に立たせてくれたと同時に、急に恥ずかしさが込みあげて来てしまった。

今まで男の人に甘えた事が無いあこにしてみれば、有り得ない行動。

恋をすると、こんなにも甘ったれになってしまうものなの?

自分が自分じゃないみたいで、擽ったい。

でも、あっちゃんには甘えたくなっちゃう…

好きって気付いたから…
大好きになっちゃったから…

『ね~あっちゃん!波の側まで行こ!!ねっ!』

「あ~だりぃよ…」

『えーっ!いいじゃん、行こー!ほらー!』

ぐいっ

恥ずかしさを隠す様に、あっちゃんの右腕を両手で掴んで引っ張った。

「あこっ…」

ぐいっ

『えぇぇっ!?』

一瞬の出来事だった。

ギュッ

嘘…ちょっと待って?
今、あこ、あっちゃんに抱き締められてない?

最初に手を引っ張ったのはあこの方なのに、今は逆にあっちゃんに手を引っ張られた。

引き寄せられて、そして…抱き締められた。

ダメだ、ダメダメ!頭の中がぐちゃぐちゃだぁ…

『あっ…あの…あっちゃ…あのっ…』

背が高くて、肩幅の広いあっちゃんに抱き締められると、あこの小さな体は、あっちゃんの胸にすっぽりと納まってしまった。

あっちゃんの匂いがする。
甘くて…大人の男の人って感じで…

トクン…トクン…トクン…
< 64 / 376 >

この作品をシェア

pagetop