Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
今まで、そんなに多くはないけれど、告白された経験はある。

でも、こんな風に頭の中が真っ白になったり、返事に困ったりした事なんて無い。

―「好きです」―
と、言われたら、迷う事なく…

―『ごめんなさい。』―
が、当たり前になっていたから。

心から人を好きになった経験も無い。
だから、OKの返事の仕方が分からない。

でもね、あこもあっちゃんが大好きなの…伝えたいよ…

ぎゅうううっ

あっちゃんのあこを抱き締める力が強くなった。

「マジで好きなんだけど…分かる?」

『あ…』

あこの目に、何かが込み上げて来た。
やっと、状況を理解した。

でも、余りにも予想外の出来事に、固まったまま何も出来ない。

“うん”とも“すん”とも言わないあこが、返事に困っていると思ったのか、あっちゃんは、自分の腕の中からあこを離した。

「ハハッ、ごめん!だよな…まだ知り合って間も無いし。

ごめん!今の無し!無し、無し!」

あっちゃんは、顔を真っ赤にして、後頭部を掻きながら、あこに背を向けて車へと歩き出した。

無し…何それ…ちょっと待ってよね?
あこ、まだ返事もしてない…

『おい!ちょっと待ってよ!!…って何だよ、バカアツシ~~!!』

まぁるい目、いっぱいに涙を溜めて、彼の背中に叫んだ。

「はぁぁ?」

あっちゃんは、立ち止まって、振り向いた。
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