Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
目、いっぱいに溜めていた涙が、大粒の宝石みたいにポロポロと溢れ落ちた。

『無しって何?バカにしてんのっ?…こんな時までガキ扱い?

ふざけんじゃね~!!』

ガクッ…

叫んだら、力が抜けてしまった。

砂の上に力尽きた様に、ヘタリ…と座り込んだ。

まるで腰が抜けたみたい…

どうして、こんな言い方しか出来ないの?

素直に、あこも好きなんだよって…言えば良いだけなのに…。

あこは、小さな肩を小刻みに震わせて泣いた。

涙なんて、もう流す事は無いと思ってた。

涙なんて、もう忘れたはずだったのに。

素直になれない自分が情けない。

「おい、あこ?」

泣き続けるあこに、あっちゃんが駆け寄って来た。

『うぅっ…あっちゃ、何なの~?うっ…えぇーん…無しとか嫌だよ~!!

あこもっ…あっちゃんが好きなんだも…ん』

ボロボロ
ボロボロ

体中の水分が全部出ちゃう…

「あこ…顔上げてくんない?」

あっちゃんは、泣き続けるあこの目の前にしゃがみ込んだ。

『うるさいっ!!あっちゃんなんか…嫌いっ!!』

バッっと、勢いを付けて顔を上げた。
そして、あっちゃんを睨みつける。

あ~っ!またやっちゃった…素直になりたいのに!!

あこの顔はめちゃくちゃだ。
泣きすぎて、マスカラは落ちてるし、眉毛は消えて麿に近い。

目も鼻も真っ赤。

涙で霞んでボヤける先には、目尻を下げて、優しい顔をしたあっちゃんがいた。

「よい…しょっ!」

あっちゃんは、砂の上に蹲るあこを軽々と持ち上げて、そっと立たせてくれた。

「あこ、ガキみてぇ!泣いてんじゃねぇよっ、なーきむしー!!」

『うぅぅぅ~』

あっちゃんは、泣きっ面のあこの頭を優しく撫でてくれた。

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