Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あこは、泣いた後の目をグイッっと浴衣の袖で拭うと、もう一度、あっちゃんの目を見つめた。

「…………」

あっちゃんは、しばらくの間、何かを考えている様に見えた。

そして、少しの沈黙の後…

「あぁ!…あぁぁぁ~っっ???」

キィーン…

あこの耳の中で飛行機が飛んでる。

あっちゃんは、あこの耳が痛くなる程大きな声で叫んだ。

「あこ、今まで付き合ったヤツいねぇの?」

あっちゃんがこんなに焦ってる姿を見たのは初めて。

『いたよ!…けど、皆すぐに別れちゃったから…手ぇ繋ぐ位だったから…』

そうだった。

あこは、今まで4人の人と付き合った経験がある。

でも、自分から好きだと思えた相手は居なかった。

当然、そんな恋は全て2週間以内で幕を閉じた。

だから、キスなんてした事無かったし、ましてや…キス以上の事なんて無関心過ぎだった。

見た目は“遊んでる”とか“チャラい”だとか…

そんな風に見られる事が多かった。

もう、弁解するのも、言い訳をする事も面倒だったし。

だから、噂通りのキャラを通して来た。

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