Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あっちゃん?

あの夏の日の、あの言葉。

今でも…あこの耳に残っています。

あっちゃん?

あの海での、あなたの照れ臭そうな顔が忘れられません。

また、いつの日か、巡り逢う日が来たら、また「離れるなよ」…って言ってくれますか?

ね、あっちゃん?



この日、この瞬間から、あこ達は“恋人”になったんだ。

誰が見ても、幸せな“2人”になったんだ。


神様?

あこは…あっちゃんと出逢うために生まれてきたんだ。

…そう、信じてもいいですか?


あっちゃんは、あこを抱き抱えたまま、車へと戻った。

ブゥン…

車のエンジンをかけながら、あっちゃんは言った。

「よし、帰るか?
あこの親、心配してんじゃねぇ?

彼氏として、しょっぱなから嫌われたくねぇし!」

『え…』

帰りたくないよ!
もっと一緒に居たいよ!

あっちゃんの言葉に、あこは絶対に頷こうとはしない。
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