Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
…シーン

当たり前だよね!
こんな時間に、誰も起きてるわけないよね!

真っ暗なあっちゃんの家の中。

「あこ、俺の部屋、2階だから…こっち!」

『うんっ!』

あっちゃんの手に引かれて、階段をゆっくりと登って行く。

あっちゃんは実家住まいなんだね。

カチャ

「はい、どーぞ!」

『お邪魔しまぁす♪』

部屋のドアを開けて、あこを先に部屋の中へ入れてくれた。

パチン!

あこが部屋に入ると同時に灯りが付いた。

『うっ…眩し…』

暗闇から、急に明るくなると、目がチカチカした。

『わぁ~☆』

男の人の部屋なんて、一度も入った事が無かったから、驚いてしまった。

男の人の部屋って、ぐちゃぐちゃに散らかっていて、汚い…そんなイメージだったのに、あっちゃんの部屋は綺麗に整頓されていた。

黒とグレーで統一された、シンプルな部屋。

ピンクだの、白だの、オレンジだのと、賑やかな色使いのあこの部屋とは大違いだ。

グレーで統一された、ベッド。
真っ黒な革のソファー。

床は、白と黒のカーペットが敷かれていた。

男の人の部屋。
あっちゃんの部屋。

あっちゃんの匂い。
J.Sと言う、香水の匂い。
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