Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「あこ、浴衣で疲れねぇか?何かあったかな?
…あぁ、そこら辺に座れば?」

『うんっ!』

ゴソゴソ…

あっちゃんは、クローゼットの中を掻き回す様に、何かを探し出した。

ボフッ

あこは、真っ黒な革のソファーにちょこんと座った。

『わぁっ☆ふかふかだぁ~!!』

バサッ

『うわっ…ぷっ!』

ふかふかのソファーに喜んでいると、あこの顔に真っ白な布が掛った。

顔からその布を剥いでみると…

洗剤の優しい匂いと、お日様の暖かい匂いがする、真っ白なTシャツだった。

「ほら!それでも着てろ!」

『ありがと、あっちゃん♪』

やっぱり浴衣は疲れる。

さっそく着替えようと、浴衣の帯に手を掛けた。

でも、直ぐにその手の動きを止めてしまった。

『あっちゃん!あこが着替えるまで、後ろ向いててよ!!

…見たら殺すからっ!』

結構本気であっちゃんの事を睨んだ。

パタン

クローゼットを閉めたあっちゃんは、ちょっぴり困った様な顔で言った。

「見ねぇよ!アホか!
じゃ~俺、何か飲み物持って来るから、それまでに着替えとけよ!」

あっちゃんは、少しだけ赤くなりながら、慌てた様子で部屋を出て行った。

あこは、急いで、浴衣の帯をほどき出した。

急がないと、あっちゃんが戻って来ちゃう!

見られたら流石に恥ずかしいもんっ!!

『ふぅ~、間に合った~!!……って、プッ、アハハハ~!!』

Tシャツを着た自分の姿がおかしくて、つい、声を出して笑ってしまった。

『何これ~超~でかいし~!!』
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