Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『え~嘘だぁ~!!キャハハハハッ!!』

「いや、マジで!!ウケんだろっ?」

灰色のベッドの上でじゃれ合いながら、あっちゃんの幼い頃の話を聞いて、笑い合っていた時だった。

部屋の西側にある、全開の窓から大きな音が聞こえて来た。

ブゥー………キキッ!!

あっちゃんの家の前で1台の車が停まった音だった。

ガチャ…バンッ!…タタタタタタッ…

あ、車から降りた…しかも、足音がこのあっちゃんの家に向かってる様な…

ピンポーン!ピンポン、ピンポン!

あっちゃんの家中に鳴り響く、チャイムの音。

誰か来たんだ、誰かな?

「はぁーい!どちら様ですか?」

一階に耳を澄ませてみると、どうやら、おばちゃんが玄関のドアを開けたみたいだった。

ガチャ

「俺ッ!!アツシのばばぁ!!アツシ居る?上がっていいっ?」

「ヒロトくん!!そんなに慌てて…どうしたの?アツシなら上に…」

「お邪魔っ!!」

えっ!!何で!?
何でヒロトくんが?

ヒロトくんの足音は、何の迷いもなく、どんどんこの部屋へと近付いて来る。

ダンダンダンダンッ…

ヒロトくんが、階段を登ってくる音を聞くと、あっちゃんはベッドの上で、あこを背中の後ろへ隠す様に座り直すと、ドアをじっと見つめ始めた。

「ヒロトだ…何だ?」

バンッ

ドアが勢い良く開くと同時に、余りの勢いで壁にぶつかってしまった。

「アツシ!!ハァーッ…ハァッ…お前…」

ドアの先には、昨日の花火大会の時と同じ格好をしていて、苦しそうに肩で息をしているヒロトくんが、あっちゃんを見つめて立っていた。

何をそんなに慌ててるんだろう…

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