Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「な…何だよ、ヒロト!いきなり人ん家に乗り込みやがって!」

ヒロトくんのその慌てっぷりに、あっちゃんは完全に引いてしまった様子。

「アツシ!お前…女いたのかよ!

あ~てか、昨日の夜、海行ったか?あ~、違った!…とにかく、お前、あこちゃんは?」

「あ?何だてめぇ!ちったぁ落ち着け!!」

ヒロトくん、本当に慌て過ぎだよ…

話がチンプンカンプンで繋がってないし!

昨日と同じ格好だし…きっとあのまま酔い潰れて寝ちゃったのかなぁ?

あっちゃんがキョトンとしてしまう気持ちも分からなくない。

ヒロトくんは、一度大きく息をついてから、また慌てて話だした。

「ハァーッ…てか、エリが言うにはよォ…じゃなくて!お前、女いんのか?

いつから?昨日、お前が女と海に居るの見たって…さっきユウヤから電話来たんだよ!!」

「はぁ~?」

ヒロトくんてば…あこがここに居る事、気付いてないの?

あ!!そりゃ、そうだ。
あっちゃんの背中の陰になってるあこが見えないんだ…

「プハァ~!!ヒロト!…まぁ、落ち着けって、よく見ろ!!」

そう言って笑うと、あっちゃんは、背中の後ろで見え隠れしているあこを、親指で指さした。

「はぁ~?」

『ジャーンッ♪ヒロトくんっ!!』

「…え!あこちゃ…」

あこが、あっちゃんの背中からひょっこりと体半分を出して、ヒロトくんは、目を見開いて固まってしまった。

「ヒロト、お前の後輩が見たのは…たぶん、コイツ!」

『たぶん、あこで~す!!』

あっちゃんが、大きな手で、あこの頭をクシャッっと撫でた。

「はぁぁ~っ…」

ガクンッ
< 89 / 376 >

この作品をシェア

pagetop