Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
「アツシ、あんた、運転気を付けんのよっ!!
あこちゃん乗せて、事故起こさないで頂戴!!

あこちゃん、またね?」

そう言って、おばちゃんは優しい笑顔であこを見送ってくれた。

「うるせぇ!事故るか、アホ!

あこ、行くぞ!!」

『はいはいは~い♪』

バンッ

あこが車に乗り込むと、直ぐに車が動き出した。

『ねぇ、あっちゃん…あっちゃんは、今まで何人の人と付き合った?』

2人きりの車内で、密かに気になっていた事を聞いてみる事にした。

あっちゃんは、きっとモテたんだろうな…
だってかっこいいもん。

「ん~…50人位!!」

『えっ!!ごっ…ごじゅ…』

ニタニタと、悪戯っぽく笑うあっちゃんの横顔を、睨む様に見つめた。

「プッ…嘘だって!ばぁかっ!!」

『も~嘘つきっ!!フンッ!!』

あこの事からかったんだ!ひど~い!!

あこは、プイッっと、あっちゃんと反対方向に首を曲げた。

も~酷い!!真剣に聞いたのに…

しばらくそっぽ向いてやるんだから!

あっちゃんも、少しは反省しろ!…いつもあこの事、からかうんだから!!

「直ぐ維持けるし!…クククッ…じゃ~お詫びに、その助手席は“あこ専用シート”にしてやるよ!」

『…約束だよ?』

あぁ…今まで維持けてたくせに。

そっぽ向き続けてやるって、決めてたくせに。

あこは単純なのかも…

「おぅ、約束な!あこ以外は乗せねぇよ!

…クククッ…単純な女だなっ!!」

あこは、満足気にニヤニヤ、ニタニタ。

ただただ、笑っていた。
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