不思議の街の不思議な話


「...その被害妄想も大概にしなよ。ゲームついでに助けてあげようって言ってるんだから。」
「はあ?貴方が助ける?誰を?」

不審極まりないザッカリーに、正直過ぎるほどストレートに問うてみれば、彼は意外に真顔でこう言った。

「ローズブレイドの実験施設送りになるのを、止めてあげようって言ってるんだ。ありがたく思え。」

フンと小馬鹿にしたような態度のザッカリーに、いい印象など到底持たないが、今の発言は聞き捨てならない。

「実験...施設?」


ザッカリーはニヤリと笑った。


「ブラン君、重要なことを言わないのもいつも通りだな。それともこれはわざとだろうか。」


ザッカリーは御満悦そうだ。
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