不思議の街の不思議な話



「ありがとう、ザック。」
「お互い様だろう?」

私はブランの手を取り、部屋を出る前に、ザッカリーに一瞥くれてやれば、彼は不敵な笑みを浮かべて私を見るだけで、それ以上の感情は読み取れなかった。


昨日のアレは一体なんだったのよ...!? なんで私はここで目覚めたのよ!? ゲーム?火遊び?実験施設?なんのこと?サッパリ訳がわからないわ!!


胸にもやもやしたものを抱えつつ、優しく握られたその手を振りほどくこともできず。一歩下がって歩く私は、背の高いブランの後ろ姿をただ見つめることしか出来なかった。
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