不思議の街の不思議な話
家賃回収業
異世界に飛ばされてから三日が経過した。
考えてみるとたかが三日であるが、あまりにも超展開過ぎた。
しかも、出会った人たちの人数を数えてみると意外に多いことに気がつく。
ヘンテコシルクハットのブランに始まって、アルト、レイリー、ケイレブ、アビゲイル……。
すっかりお日様が真上に位置仕掛けている時間に起きた私は、ブラン邸にて朝食を摂る。
広いダイニングテーブルにポツンと一人用の食事が置かれていた。メモが傍に置かれていて、「ルカの分」と描かれている。誰も来る気配がないので、そろそろと朝食を食べ始める。
サラダの野菜は新鮮で、スープもまだ温かい。作ってからまだ時間が経っていないようだ。
先に朝食を食べ始めて申し訳ないと思いつつ、ブランが来るのを待つが、足音ひとつしない。無論、アビゲイルの姿もどこにもない。
屋敷はがらんとして誰もいないようだ。
豪邸の割に執事一人見当たらないのだが、一体どうなっているのか。