不思議の街の不思議な話
指切り
図書館が静かになっていくのを感じながら、きっと外は日が暮れたのだろうと感じ始める頃まで、レイリーもペングウィンも私の部屋にいた。
ペングウィンは私と似て体力がないのか、エクレア型のソファで爆睡していたが、レイリーは元気にアルトとしばらく言い争った後、しばらくしたら部屋を出て行った。
ペングウィンのいびきが大きくなってきたのが耳障りで、アルトが追い出すと、二人きりになった私たちはやることがなくて退屈で、結局眠りに落ちてしまった。
そして気温が下がって来始めたのを、無意識に体が感じ始めた頃だろうか。ふわふわしている意識の中でキイがドアが開く音がしたのは。
アルトの耳がピンと立って、その音を捉えた。
「てめ、おっせえんだよ。」
部屋にその主が現れたところに、早速いつもの悪態を吐くのであった。