甘々なボスに、とろけそうです。
「美玲は僕に、勉強以外のことも教えてくれたんだ」
(勉強以外のこと……?)
「たとえば、なにをですか?」
「会えば、お互いケモノのように求め合ってたなぁ」
(……!!?)
「世の中にはこんな快楽もあるんだとか。なにをすれば女性が悦ぶのかってことを、美玲が手取り足取り教えてくれた」
(はい!?)
「やっぱり想像するのと試すのじゃ違うよね。好きとか愛とか未だによくわからないけど、僕は女の人とそういうことするのは好きだなって気づいた」
先生、生徒になにを教えちゃっているんですか。おかげで真面目だった新條少年が、こんな変態眼鏡になっちゃったじゃないですか。
「どう、少しは参考になった?」
全くなりませんでした。
「フレンドリーとは、ほど遠い関係ですね……」
「そっかぁ。君は、男女間に友情が成立すると思ってるんだ」
(……?)
「はい。もちろんです」
「バカなの? ありえないでしょ」
速攻で否定されてしまった。思わず『異議あり!』……と叫びたくなったが、のみこんだ。相手は現役弁護士だ。それもこのビルに入っているくらい大きな会社の。口で勝てる気がしない。