甘々なボスに、とろけそうです。


「美玲は僕に、勉強以外のことも教えてくれたんだ」


(勉強以外のこと……?)


「たとえば、なにをですか?」


「会えば、お互いケモノのように求め合ってたなぁ」


(……!!?)


「世の中にはこんな快楽もあるんだとか。なにをすれば女性が悦ぶのかってことを、美玲が手取り足取り教えてくれた」


(はい!?)


「やっぱり想像するのと試すのじゃ違うよね。好きとか愛とか未だによくわからないけど、僕は女の人とそういうことするのは好きだなって気づいた」


先生、生徒になにを教えちゃっているんですか。おかげで真面目だった新條少年が、こんな変態眼鏡になっちゃったじゃないですか。


「どう、少しは参考になった?」


全くなりませんでした。


「フレンドリーとは、ほど遠い関係ですね……」


「そっかぁ。君は、男女間に友情が成立すると思ってるんだ」


(……?)


「はい。もちろんです」


「バカなの? ありえないでしょ」


速攻で否定されてしまった。思わず『異議あり!』……と叫びたくなったが、のみこんだ。相手は現役弁護士だ。それもこのビルに入っているくらい大きな会社の。口で勝てる気がしない。

< 105 / 194 >

この作品をシェア

pagetop