甘々なボスに、とろけそうです。
「僕はデートだと思ってるよ。あわよくば、君とセックスだってしたい」
「なっ……なんで、そんなこと言うんですかっ……」
予想外の反論に、軽く蒸せてしまう。
「嘘じゃないよ。興味ない子を、こうして誘うわけないでしょ。だいたい悩み相談からのホテルなんて、誘導しやすいパターンじゃん」
(そうなの!?)
「それともなに。相手が僕じゃ、不満?」
「不満とか、そんな問題じゃないですっ……ありえないです。会ったばかりなのに、そんな急展開」
「忠告しておいてあげる。気のない相手からの誘いは、簡単に受けるもんじゃないよ」
「だっ、だって、新條さんは兄の知り合いって感じだったから……」
「そんな甘いこと言ってると、今に痛い目にあうよ」
そんなバカな。これから、男性を見る目が少し変わりそうだ。……いや、新條さんがプレイボーイなだけだよね?
「1度、君を丸裸にしてみたいな」
「な、なりません!……そんなことになれば、叫びます」
「いいねぇ。その叫び声が、甘い鳴き声に変わる瞬間が見たいよ」
この、変態ドS、鬼畜眼鏡。
「でもまぁ、直接ビジネスの付き合いがなくても、このビルの関係者と男女関係になるのは面倒ではあるね」
面倒とか、そういう言い方どうかと思いますが。新條さんは、遊び前提でしか女性と関係を持たないのかな……。
「さっき私の兄の前では紳士のフリしてましたよね」
会ったばかりの時も。エレベーターで、『お先にどうぞ』『何階ですか』なんて――それはもう、爽やかに。あの爽やかさは、いずこへ。