甘々なボスに、とろけそうです。


後ずさりしようとした、その時。


「一夜限りで終わらせたくないって……。身体だけじゃないって言ったら、どうする?」


――え?


突然、正面から、抱きしめられた。


「しん……じょ、さんっ」


「鉄なんてやめて僕にしなよ」


そんな、泣きそうな声出されちゃ、抵抗する力も出ないじゃないですかっ……。強く、抱きしめられる。新條さんの鼓動が、こっちにまで伝わってくる。


「苦しい……です、新條さん……」


「今日のところは、望み通り紳士になってあげる。でも次、僕に油断したら、その時は……」


エレベーターが、止まった。扉が開く直前、新條さんから解放される。


「行こうか」


「え……」


「みこ」


「わっ、私……、新條さんとは一線を超えられません!!」


「うるさいなぁ。恥ずかしいから、大きな声出さないで」


クイっと、手を引かれる。そこには――

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