甘々なボスに、とろけそうです。
「里香子、肝心なこと言い忘れてるから、先に話させて。あのな、みこ。もう気づいてると思うけど、俺たち、付き合ってるんだ」
ええ、気づいていますとも。……新條さんに聞くまで、全然知りませんでしたが。
「それで今、一緒に住んでる」
「……?? 家にお兄ちゃん1人だったよね」
「昨日は里香子が友達のとこに行ってたから」
「じゃあ、なに、私は今夜からどうすれば?」
「遠慮しないでね。ミコちゃんがこっちにいる間は、出て行くから」
いやいや。それ、凄く気にします。ラブラブな2人の邪魔するみたいじゃないですか。知っていたら、兄の家に押しかけるなんてこと、絶対にしませんでした……!
指輪もそうだが、思い返せば兄の家にヒントならいくらでも散らばっていたはず。それに気がつかず、のうのうと居候しようとしていた私は、鈍いにも程がある。
「私、ホテルにでも泊まります。里香子さんが出て行くことないです」
「そんなことすれば、毎日お金かかって仕方ないんじゃない?」
たしかに。この近辺でホテルを借りるにしても、都会だからそう安くはないだろう。