甘々なボスに、とろけそうです。
◇
「風呂、先に使ってくれてかまわないよ」
上着を脱ぎ、ネクタイを緩めるボス。
「いや、1番風呂なんて、居候の存在で……」
来ました。来てしまいましたとも。ボスの、家に。
ボスは当たり前のように私を連れて帰ってきてくれたわけですが、私の方はといえば、酔いが少しさめた。
会社からそう遠くない場所にある、高層マンションの上階。一人暮らししているとは思えない広さ。リビングの窓から、さっきのレストランに負けないくらいの夜景を見渡すことができる。
たとえ1ヶ月でも、こんな場所で寝泊まりできるだなんて、なんて贅沢なのだろう。
くつろぐ余裕などない。男の人の家ってだけでも緊張なのに。
「居候なんて言うなよ」
「えっ?」
「自分のうちだと思えばいい」