甘々なボスに、とろけそうです。
(か、かわっ……可愛らしいだなんてぇぇ!!)
「1人だと心細いですか?」
「……はい」
「では、一緒に行きましょう」
(いいのぉ!?)
「……あ、ありがとうございます!!」
「元気の良いお嬢さんですね」
そういうあなたは、笑顔がとても素敵で、いきなり私、癒やされちゃっています……!
謎のジェントルマンのおかげで、なんとかエントランスをくぐることができた。
その先にあったのは……
(ひ……広っ……!!)
開放的な空間が、照明だけでなく外から差してくる日差しでキラキラと輝いている。美しい。
そして、そこにいる人たちのセレブなオーラにはやくも息が苦しい。
立ちくらみしそう……。
「お嬢さん、何階にご用ですか?」
「あ、えっと、28階……です」
「ほう」
ジェントルマンの眉毛がピクリと動き、目を細めてこちらを見る。
(え? 私、なにか変なこと言った?)
「エレベーター、使っていいですか?」
「ええ、どうぞ。でも、気をつけて下さい。全てのエレベーターが28階にたどり着けるわけではありません」