甘々なボスに、とろけそうです。


「いえ、そんな厚かましいこと、できませんよ……」


「まさか、嫌々来たってわけじゃないよな?」


「とんでもない! 行く宛がなかったのもありますが、あのままお別れするのも名残り惜しかったので、こうして一緒にいられて……嬉しいです……ボスの家だから、来たかったんです」


全力で否定してしまった。なんだか今のは、もう、告白しちゃってるようなものだ。若干シラフに近づいた気がしたが、私はまだまだ酔っているのだろう。でなきゃこんなこと、普段の自分なら、言えないから。言った傍から恥ずかしさがこみ上げてくる。


「なら、脱げ」


「……へ?」


「一緒に入るか」


いやいやいや。恥ずかしすぎます!! いくら兄妹になるからと言いましても。ペットみたいに可愛がってくれるにしても。いきなり、入浴は……ねぇ?


「い、1番風呂、有難くいただきます!」


「あぁ。ゆっくり入ってこい」


ボスは、まったく酔っていないようだ。顔色も、口調もなにもかわらない。からかっているわけでもなさそうだ。


(Yesと言ったら、一緒に入ってたのかなぁ……)


予想はしていたが、自宅のマンションお風呂とは思えない広さと美しさ。これだと2人で入るのも楽々だ……って、いや、なにを妄想しているのだろう。


「ミコ」

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