甘々なボスに、とろけそうです。


「は、はい!?」


扉の向こうから、ボスの声。まさか、やっぱり一緒に入ろうとかいうの?


「化粧落とし持ってないだろう。ここに置いとく」


「え、あ、ありがとうございます」


なんでボスがそんなものを持っているのだろうと一瞬モヤっとしたが、「それから、他にも里香子から預かっている。湯上がりに使えだと」と言われて納得した。

ボスが置いていってくれたのは、メイク落としと、化粧水と、その他保湿クリームだった。どれも高そうだ。

里香子さんが、いつか私がここに泊まると、予想してたということなのだろう。なんだか、してやられた感があるが、とても有難い。

それから、バスローブと、歯ブラシ。ここは、高級ホテルですかと勘違いしそうになる。

リビングに戻ると、ボスがソファにもたれかかって眠っていた。状況から……手前のテーブルにノートパソコンを立ち上げ、そのまま仕事かなにかしている最中に寝落ちしたと思われる。


「お風呂、あきました、けど……」


そっと話しかけるも、返事はない。起こさない方がいいかな。エアコンがよく効いているから、寝冷えでもしたら大変だ。

毛布はどこ? とりあえず、温度少しあげよう。リモコン……リモコン……

そわそわしていると、「あがったのか」とボスが目を覚ました。


「あ、お先にいただきました。ボスもどうぞ!」


「あぁ。一汗流してくる」

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