甘々なボスに、とろけそうです。
そうなのか。一体何台のエレベーターが、あるのだろう。
まぁ、これほど高い建物なら、そういう構造になっていても納得だ。
「これから外せない用がありまして。ここから先は……お嬢さん1人で大丈夫ですかな?」
なんだか、ジェントルマンと離れるのが名残惜しい。と、そんな悠長なことは言っていられないけれど。
「お忙しいところ、ありがとうございました!」
「いえいえ、たいしたことはなにも。まずは、そこをまっすぐ進んだ先にあるエレベーターで、27階に向かって下さい」
28階に用事があるのに、27階?
「申し遅れましたが、私、管理人の田中と申します」
管理人さんっ!
「私は、猫垣です」
「……猫垣さん。名前まで、可愛らしい」
「よく、珍しいねって言われます!」