甘々なボスに、とろけそうです。


「ところでウィルくん……もう、怒ってないの?」


「なにが」そっけなく答えるウィルくん。


「昨日、怒って帰ったよね。私のせいで……」


そのことを、最初に謝りたかった。なのに、なぜこんなに普通に話せているのだろう。頭の中で、巻き戻ししてみる。出社して最初の会話ってなんだっけ。


【ミーコ、昨日、ボスとヤっちゃった?】


……そうだ。あのセクハラのせいで、気まずいムードもなにもなかったんだ。いや、もしかしてウィルくん、わざとあんな会話をしてきたのかな。


「別に、怒ってないよ」


「でも、いきなり帰ったよね」


「それはミーコが……シッポ振って喜んでたから」


「シッポ? 私が?」と聞いて「かなりね。ムカつくくらい」と速攻で返事するウィルくん。


「昨日のことはもういいよ。そうだ、ボクの作ったプログラムでちょっと遊んでみてくれない?」


ウィルくんの作ったプログラム、それはすなわち、猫プリの新機能!?


「もちろん! いくらでも!」


「よかった、率直な感想聞いてみたかったんだよね」


「それ、もしかして……昨日私が転ぶ前に、ウィルくんが頼みたいことがあるって言ってやつ?」


「よく覚えてるね。そうだよ」


ちゃんと、仕事のことで私に頼みごとしようとしてくれていたんだ。嬉しい。

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