甘々なボスに、とろけそうです。
「せっかく誘っていただいてるのに……こんなことを言うの失礼ですが、今の私がここで働くことが身の丈に合っているとは思えないんです。皆さんの働く様子を見ていたら、そう思えてなりません」
「なるほど」室井さんが、目を細めた。
「だからといって夏休みが終わってボスとそれっきりになりたくないですし、ウィルくんとも友達でいたいと思ってます」
「……あなたって人は」
室井さんが、優しく笑った。とびきりの笑顔に、思わず口をぽかんとあけて驚いてしまった。
「簡単に流されそうで、流されないんですから。心配しなくても、あなたなんて雇いませんよ」
「また、私を試したんですか!?」
「もっとも、ボスは就職して欲しいんじゃないでしょうか」
「……ボスがですか?」
「ええ、そうです。自分のところに、永久に。あなたがそばにいないと、さぞ寂しがるでしょうね」