甘々なボスに、とろけそうです。


 ◇


更に1週間後、B.C.square TOKYOで過ごすのも残りわずかな頃。昼休みに下りエレベーターに乗り込むと、よく知る人影を見つけた。


「新條さん、こんにちは」


「……やぁ」


なんだかテンションが低いことが気になった私は、周囲に誰もいなかったのもあり「失恋でもしました?」なんて今日はこっちからからかってやろうとしたのだが、あらぬことを言われてしまう。


「そうなんだ」


「百戦錬磨の新條さんが?」


「聞いてくれる?」


まだ時間が少しあったので、室井さんに聞いたアッパーフロアの社員ご用達のカフェへとやってきた。かなり広さのあるスペースに、1人がけ、そして2~3人がけができるソファがポツポツと並ぶ。

テーブル席の、1人がけのソファに新條さんと対面して座る。パソコンを開いて仕事している人もいれば、雑誌を読んでリラックスしている人も見受けられる。


「最初に言っとくとここはドリンクならお金かからないから、前みたいに遠慮しないでね」


「そうなんですか? だったら、この前もここに来たらよかったですね」

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