甘々なボスに、とろけそうです。


(子猫?)


乗り込んだのは、インテリ眼鏡と私の2人。空耳……?

それとも、まだまだ子供って意味合いなのかな。そう思うと途端に顔が熱くなり、男に背を向けた。

エレベーターの窓は大きく、外の様子がよく見える。さっきまで私のいた場所が、どんどん離れて小さくなっていく。

天気がいいので、随分と遠くまで見渡すことができ、とても良い眺めなのだけれど……

(た、高っ……!)

慌てて窓から目をそらす。都会の人は、こんなエレベーターに平気で乗れちゃうの?

落ちないとわかっていても、『もしも、このガラスが割れたら……』なんて想像して怖くなっちゃう。


(!)

男が、こちらを凝視していることに気づく。

(なんで、そんなに見るの!?)

やっぱりこんなビルに、私のような小娘は、珍しいから?

なんかもう、場違いで……すみません。


「怖いの?」


「え……」


「高いとこ」


「ま、まぁ」


「なら、こっちに来なよ」

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